新聞雑誌報道等
- 2016年2月13日発行,中日新聞(朝刊),
「観測理論の提唱者 名大・小澤教授 『歴史的な瞬間』」
(2016年2月12日取材).
解説:
重力波の観測には、1960年代より、自由質点を監視する「干渉計方式」
と調和振動子を監視する「共振器方式」の二つの方式が提案されてきました.
1980年には,「干渉計方式」には,量子力学の基本原理「不確定性原理」に由来する
感度の限界(標準量子限界)があるが,
「共振器方式」には,量子非破壊測定法が適用できるので,
そのような限界がないとされました
[
V.B. Braginsky, Y.I. Vorontsov, K.S. Thorne, Science 209, 547 (1980)
;
C.M. Caves, K.S. Thorne, R.W.P. Drever, V.D. Sandberg, M. Zimmermann, Rev. Mod. Phys. 52, 341 (1980) ].
1983年,ユエンは,自由質点の監視に関する標準量子限界の導出に誤りがあると
主張[H.P. Yuen, Phys. Rev. Lett. 51, 719 (1983) ].
1985年,ケーブスは,標準量子限界の定式化を改良して,やはり標準量子限界が成立すると
反論し[C.M. Caves, Phys. Rev. Lett. 54, 2465 (1985) ],
論争になりました.
1988年,小澤は,標準量子限界を打ち破る自由質点の監視が可能であることを数学モデルで
証明し[
M. Ozawa, Phys. Rev. Lett. 60, 385 (1988)
],
観測装置の大型化による感度の向上が容易な「干渉計方式」の優位性を裏付け,
論争を決着させました [J. Maddox, Nature 331, 559 (1988) ].
ここで導入した測定誤差の概念は,後に不確定性原理を改める「小澤の不等式」に結びつきました.
1992年から「干渉計方式」を採用した米大学などの実験チーム「LIGO(ライゴ)」が今回,世界初の重力波観測の
快挙を達成しました.
- 2015年11月2日発行,紫綬褒章発令報道,
日刊工業新聞(朝刊)
1面;
18面 (2015年10月28日取材).
中日新聞(朝刊)1面;28面 (2015年10月29日取材).
- 2014年9月25日放送,
NHK BSプレミアム コズミックフロント 「アインシュタイン最後の宿題 重力波を探せ」
(2014年5月19日名古屋大学で収録,2014年5月23日東北大学で収録)
- 2014年1月1日発行,
科学新聞(朝刊),
「『測定誤差と擾乱に関する不確定性関係』で不等式の実験的検証に
成功 東北大 名古屋大」(2013年12月18日記者発表)
- 2013年12月25日発行,
中日新聞(朝刊),
「名大・小澤教授の『不等式』 高精度実験でも成立」
;
日本経済新聞(夕刊),
「『小澤の不等式』、新測定法でも検証 東北大など」
(2013年12月18日記者発表)
- 2013年11月1日発行,
Physics World (英国物理学会発行) [online] (November 1, 2013) News
“Uncertainty reigns over Heisenberg's measurement analogy”
(Philip Ball)
(2013年10月25日取材)
- 2013年8月8日発行,
朝日新聞(朝刊),
「量子力学の原則,新理論提唱」
「『小澤の不等式』裏付け」「東北大・名大教授ら」
(2013年7月17日記者発表)
- 2013年7月18日発行,
読売新聞(朝刊),
「『小澤の不等式』光で証明」「量子コンピュータ開発期待」
;
日本経済新聞(朝刊),「物理の基本不確定性原理に『欠陥』」「新理論光使い検証」「東北大など」
;
中日新聞(朝刊),「不確定性原理覆す新数式」「光測定でも成立実証」「小澤名大教授ら」;
;
日刊工業新聞(朝刊),「ハイゼンベルク
不等式破れ検証」「量子力学原理見直しへ」「東北大・名大」;
河北新報(朝刊),「ミクロの世界 精密な測定可能」「『不確定性原理』限界突破」
「小沢・名大教授の理論 東北大など、光で確認」
「安全な量子情報通信に道」
(2013年7月17日記者発表)
- 2013年7月15日発行,
IEEE Spectrum [online] (15 July 2013),
"Uncertainty over the Uncertainty Principle"
(Douglas McCormick)
- 2013年6月27日発行,
Nature 498, 419-420 (27 June 2013),
"Proof mooted for quantum uncertainty"
(Ron Cowen) doi:10.1038/498419a
(2013年6月19日取材)
- 2013年6月4日発行,中日新聞(朝刊),第66回中日文化賞祝賀会(2013年5月30日取材)
- 2013年5月31日発行,中日新聞(朝刊),中日春秋:「量子測定の公理について『新しい公式を生み出すのは夢.定説を覆すには,勇気が必要です』と語る」(2013年4月30日取材)
- 2013年5月31日発行,中日新聞(朝刊),第66回中日文化賞贈呈式開催
- 2013年5月3日発行,中日新聞(朝刊),第66回中日文化賞授賞者発表(2013年4月10日取材)
- 2012年10月20日発行,
Science News Vol.182, No. 8, p.15,
A. Witze, Uncertainty not so certain after all:
Early formulation of famous physics principle undermined by lab experiments.
(2012年9月11日取材)
- 2012年10月17日発表,
Presentation FW4J.4, "Direct Violation of Heisenberg's Precision Limit by Weak Measurements," takes place Wednesday, Oct. 17, 2012 at 2:30 p.m. EDT at the Rochester Riverside Convention Center in Rochester, NY.
[
More Certainty on Uncertainty's Quantum Mechanical Role,
The Optical Society of America, release (October 4, 2012)
]
- 2012年9月19日発行, Physics Central (American Physical Society),
Padcast "Heisenberg in Question"
- 2012年9月7日発行,科学新聞(週刊),
科研費による最近の研究成果,トピックス「不確定性原理の矛盾を実証」.
- 2012年9月7日トロント大学報道発表,
University of Toronto scientists cast doubt on renowned uncertainty principle
.
[
BBC [online] News (7 September 2012)
],
[
Nature [online] (11 September 2012) | doi:10.1038/nature.2012.11394
],
[
Scientific American [online] (September 11, 2012)
].
L. A. Rozema et al., "Violation of Heisenberg's Measurement-Disturbance Relationship by Weak Measurements," Physical Review Letters 109, 100404 (September 6, 2012)
において,Steinbergが率いるToronto大学のチームにより,
測定精度と擾乱に関する「小澤の不等式」の成立と「Heisenbergの不等式」の不成立が,測定精度と擾乱を弱測定を用いて計測する新しい実験で検証されたことが報告されました:
"As seen in Fig. 4(b), Ozawa's MDR [measurement-disturbance relationship] remains valid for all the experimentally tested parameters, while we find that the simple product of the precision and the disturbance-Heisenberg's MDR-always falls below the experimentally measured bound."
(被引用論文:M. Ozawa, Phys. Rev. A 67, 042105 (2003); Ann. Phys. (N.Y.) 311, 350 (2004).)
- 2012年8月31日発行,朝日新聞(朝刊),社会面
「IT事業家が数学賞創設」「元IBMの藤原さん『受賞者を知のリーダーに』」.
- 2012年6月1日発行,
『日経サイエンス』 2012年6月号,
NEWS SCAN 国内ウォッチ「誤差って何?」(pp. 16〜17).
- 2012年4月28日発行,朝日新聞(夕刊),
コラム「窓」:「日本語で論じる科学」.
- 2012年4月7日発行,
『Newton』 2012年4月号,
「書きかえられる『不確定性原理』」(協力:小澤正直,長谷川祐司,細谷暁夫)(pp.16〜21).
- 2012年4月1日発行,
『日経サイエンス』 2012年4月号,
特集:小澤の不等式,
「不確定性原理の再出発」(古田彩)(pp.34〜43).
- 発表:
2012年3月24〜27日開催(3月27日発表),
日本物理学会第67回年次大会(関西学院大学),
「[27aBE-10 3901]偏光に関する一般化測定における測定誤差と擾乱の不確定性関係の実験的評価」(So-Young Baek,○金田文寛,枝松圭一,小澤正直)
- 2012年3月11日発行,日本経済新聞(朝刊),科学面「物理学ルネサンス-1」:
「絶対の理論、覆るのか」「量子力学、実験が歴史に風穴」.
-
2012年2月28日発行, 毎日新聞(朝刊),科学面「ミクロの世界の原理応用『量子暗号』実用化なるか」.
-
2012年2月9日発行,日本経済新聞(夕刊),ひと(ニュースな人ヒト)「
物理の基本原理に80年ぶり新理論−−小澤正直さん」「理詰めの研究 哲学に学ぶ」.
-
2012年2月1日発行, 中日新聞(朝刊),時のおもり「人間の魅力を引き出す機械 創造性を引出す関係」(中村桂子).
-
2012年1月30日発行, アエラ2月6日号(p. 31),「現代物理学の最前線:不確定性原理の『文系』度」.
-
2012年1月23日発行, 朝日新聞(朝刊),科学面「小澤流『不確定』仕分け」
「『原理を鍛える』数式を書き直し」.
-
2012年1月23日発行, 日刊工業新聞,「不確定性原理 崩れる現象観測 名大などが測定」.
-
2012年1月27日発行, 朝日新聞(朝刊),池上彰の新聞ななめ読み「小澤教授の予測見出しで印象様変わり」.
-
2012年1月22日発行, 読売新聞(朝刊),科学面「測定の理論限界に風穴」「不確定性原理『小澤の不等式』確認」「6億分の1ミリ・メートル観測狙う」「重力波検出すでに利用」.
- 2012年1月20日発行の英国物理学会サイト
Physicsworld.com
のNews
"Neutrons revive Heisenberg's first take on uncertainty"
で「小澤の不等式」の検証実験の成果が報道されました.
- 2012年1月18日発行,中日新聞(夕刊),コラム「夕歩道」
- 2012年1月16日発行,
朝日新聞(朝刊),
「物理根本理論に修正・不確定性原理・名大教授の数式実証・ウィーン工科大博士ら」(1面),「不確定性原理 名大教授の数式実証・ハイテク実験が後押し」(38面)(不確定性原理に関するハイゼンベルクの不等式と小澤の不等式の対照実験論文( Nature Physics DOI:10.1038/NPHYS2194 (2012))発表報道)
- 2012年1月16日発行,
[
日本経済新聞(朝刊),]
「『不確定性原理』・物理の基本原則ほころび・名古屋大など新理論実証・ミクロの世界・精密測定」(1面),「スパコン上回る計算機・盗聴されない暗号通信・『不確定性原理』の矛盾実証・次世代技術を後押し」「粒子の位置・運動量同時測定が可能に・小澤の不等式」「識者のコメント(細谷暁夫・東京工業大学教授(理論物理学))・測定・実験方法見直しの契機」(11面)
- 2012年1月16日発行,毎日新聞(朝刊),「量子力学の基本法則・不確定性原理に欠陥・名古屋大教授ら実証・教科書の書き換え迫る」
- 2012年1月16日発行,中日新聞「量子力学の測定限界破る・『ハイゼンベルクの不確定せ原理』覆す・名大教授らが実証」
- 2012年1月16日発行,読売新聞(読売),「量子物理学の基礎 不確定性原理に欠陥・名大チーム実証」(1面)
- 2012年1月16日発行,ウェブ:[東京新聞] ,
[
時事通信],
[
共同通信]
[
日経サイエンス(速報)]
[
産經新聞]
-
2010年8月20日発行,数学通信,第15巻第2号(通算58号)(pp.52〜53),細谷暁夫「小澤正直氏の受賞に寄せて」.
-
2009年5月22日発行,『別冊日経サイエンス165』 「素粒子論の一世紀:湯川,朝永,南部そして小林・益川」「新たな不確定性原理を求めて」(pp.138〜149)
- 2010年4月7日発行,朝日新聞(朝刊),2009年4月8日発刊,読売新聞,平成22年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞報道.
-
2009年5月22日発刊, 別冊日経サイエンス165 「素粒子論の一世紀:湯川,朝永,南部そして小林・益川」(pp.138〜149),「新たな不確定性原理を求めて」.
- 2009年4月24日発行, 数学, 第61巻第2号 (pp.209〜210),「2008年度日本数学会賞秋季賞 小澤正直 ‘量子情報の数学的基礎’」.
- 2008年9月30日発行, 中日新聞, 日本数学会賞受賞報道.
-
2008年3 月18日放送, 東日本放送, インタビュー番組「常識に挑む数学 (東北大の21世紀) 」.
-
2007年4月1日発行, 『日経サイエンス』 2007年4月号 (pp.30〜41),「特集:不確定性原理の今:新たな不確定性原理を求めて」.
-
2006年1月29日発行, 毎日新聞(朝刊) , 書評「日本人が開く量子力学の新しい地平」(中村桂子評『ハイゼンベルクの顕微鏡:不確定性原理は越えられるか』).
-
2006年1月5日発行, 日経BP社『ハイゼンベルクの顕微鏡:不確定性原理は越えられるか』石井茂著.
-
2004年9月1日発行, 日経サイエンス, 2004年9月号 (pp. 52〜54),「素顔の科学者たち:物理学の常識に挑む数学者」.
- 2004年5月22日発行, 日経BYTE, 2004年6月号 (pp. 45~47),「量子コンピュータの世界, part 4 物理学:書き換えられる不確定性原理」.
-
2004年1月15日発行, 日経産業新聞, 特集記事「プロデュース JAPAN 7:『知』の限界を覆す者」.
-
1988年2月18日発行, Nature, vol. 331(p. 559), "Beating the Quantum Limits (News and Views)", John Maddox.